2008/11/15 up

9月某日@杉並区立郷土博物館
ひとりロケハン。
次回ロケの"お題目"は、"博物館の資料で見つけた古い川の写真を元に、現代の同じ場所へ行って比較撮影"。
そりゃ実際no river, no lifeでもやってるし、場合によってはweb上でオーバー・ラップさせたり、つまりは誰にでも解りやすくて感心出来る方法。ついでに"昭和ノスタルジー"みたいなアンテナにも引っかかる、とても有効なやり方と言える。番組では、杉並区立郷土博物館へ行き、そこで写真を物色して現場へ、という流れ。
ただ、ひとつ問題。
オレ自身、杉並区立郷土博物館及び、同系列のwebsite"すぎなみ学倶楽部"で公開されている写真で、その手の題材になるのものは既に全部知っている、という事実。しかもつい最近no river, no lifeの次回更新用取材で郷土博物館に行ったばっかり。
「.....というワケで、ナイかも」
「いいですよ。あったらめっけもん、ぐらいの感じで行きましょう」
.....う〜ん、それは不安だ。じゃあとりあえず下見に行く、ということにさせて貰い、担当者の方に話をつけて貰った。
「伝えておきました。いつでもいいそうです。ただ、加瀬さんの風貌に関しては言ってません(笑)」

杉並区立郷土博物館
台風一過でピーカンの午前中、杉並区立郷土博物館へ。
ここへは既に何度か来ている(当然、暗渠という言葉と出逢って以降)が、明大前のオレん家からは神田川を越えて大宮八幡宮を通り、善福寺川沿いを行くと着く、という、行程およそ20分ほどの理想的な散歩コース。この日は愛車・赤いJeep(チャリです/笑)を駆って善福寺川沿いをサイクリングしつつ訪問。決して交通の便が良いとは言えない場所だが、敷地内には博物館の他に、指定有形文化財の寛政年間の古民家が建ち、江戸時代の人々の生活を垣間見ることも出来る。運が良いと囲炉裏で点てたお茶を御馳走になれる、杉並区の人の温かさに触れることの出来る場所。
次長のT筑さんとアシスタントのH野女史がお出迎え。
.....大歓迎(.....)。
すんません、こんな金髪グラサン男で、ホント申し訳ナイ。
特にT筑次長、すぎなみ学倶楽部の立ち上げに関わった方だそうで、オレが「いや〜、半平衛相澤掘の話とか大宮ウォーター・シュートの話とか大好きなんですよ」とか言おうもんならほっぺたが落ちそうな笑顔。こっちまで嬉しくなる。

博物館次長のT筑さん
2階フロアの会議室に通され、とりあえず次々と出て来るレアな資料に片っ端から眼を通す。思ったよりも色々ある。が、問題は杉並という地区の近代化度。
例えば渋谷はどれだけ様変わりしても、宮益坂/道玄坂/公園通りなどに囲まれた谷底のスクランブル交差点、みたいなロケーションはあまり変わらない。ところが野っ原だった杉並は宅地化でモノ凄い変化を遂げたせいで、50年前の写真を持って現地へ行ってもあまりピンと来ない。
「う〜ん、もしかするとTV的には厳しいかも知れないな.....」
当日宜しくお願いしますとおふたりにお礼を言い、隣接するオレが大好きな場所、大宮夕日が丘広場へ。
善福寺川を見下ろす高台であらためて考える。
「.....ここ、武蔵野なんだよな.....」
大きなビルの見えないこのロケーションは、100年前とそう変わっていない筈。


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