2008/11/15 up

10月某日
最後のロケ終了後数日で、番組史上初の地上波先行on air。さすがに反響が凄い。siteやブログに多くの感想が寄せられ、ヒット件数がバカみたいに延びて行く。個人的にも20数年振りに小学校の同級生から連絡があったのには驚いた。また、現在大手建設会社で役職に付き、もう30年以上の付き合いになる幼馴染みからは「暗渠を造る側としてとても考えさせられた」との意見。
M川プロデューサーから「通常6%代の視聴率が7%突破/飛び抜けて高い数字」との報告。.....オリンピック開催期間中の地上波on air。あらためてその決断の凄さを思い知った。
地上波のナレーションを担当してくれたのは渡辺いっけいさん。オレより2歳上のほぼ同世代、「今度生で加瀬さんの"春の小川"を聴きたい」と仰って頂き恐縮。
そして地上波先行のイレギュラー放送により、5分長いBS版の編集は地上波on airの後となり、こちらのナレーションは新婚(おめでとう!)の山田まりやさんが担当された。丁寧にご自身のブログでもご紹介頂き、感謝。.....っつーか、この番組でふたりもナレーター使ったのオレだけらしい(.....)。
そしてもうひとつ。
実はオレの母親、オレが何やってるか良く知らない(爆)。もちろん音楽業界にいることは解っているのだが、そんな場所でいったいどうやって金稼いで来てるのか、なんで家のローン払って洋服が買えてるのか多分知らない.....と言うより、実はオレからは何も言わないだけ。高校生の文化祭のステージを一度観に来たことがあるが、以来コンサートに招待したりしたことももちろんないし、演奏はおろかオレが歌ってることなんざ夢にも考えてない。

昭和40年、母と祖母と。この右手にNHKが建つ
.....んで、この番組のことも当然言ってナイ(爆)。
もちろん暗渠に興味を持って色々調べてることは知ってる。で、on air当日になって「あ、今日TV出るから。一応」とだけ言い残して出かけた。帰宅後、珍しく玄関に出迎え。
「ビックリした。.....あんた、何やってんの?」
.....ああなんて予想通りの答だ(苦笑)。でも、勝手に写真使ってるし、生い立ち喋ってるし、さぞかし怒られるかと思ってたけどまんざらでもない様子。問題は偶然見た知人達からの電話対応、「あたしも良く解らないのよ〜」と答えるしかなかったそう(そりゃそうだ)。
けどこの夜、おかげで久しぶりに母親とゆっくり話せた。
実はもうひとつ、この番組に登場する"ある写真"が、我々親子にとってとても大切な1枚となった。それは2009年元旦更新のno river, no life内で明らかにします(爆)。
on air後、多くのsiteやブログでこの番組のことをご紹介頂き、たくさんのメールを頂いた。早速雑誌の取材依頼が舞い込む。"トレンドリーダー100人に聞く/今注目しているもの".....オレ?(爆)。
某有名大学教授の方からは勿体ない"詩"を送って頂き、番組の反響の凄さと、オレ自身がほんの2年前に知った/感じた、矛盾に満ちた現実と同様の疑問を持った方の多さに驚く。
10月27日に高円寺で行ったliveには、番組を観たという方々にも大勢来て頂いた。この時歌った"春の小川"、今までとは瞼の裏に浮かぶ景色にちょっとした変化があった。もちろん高野親子が微笑む小川の風景も出て来るんだけど、実際暗渠内で感じた空気、音、そして上流方向から飛んで来る、何か"命の玉"のようなもの。上手く言えないけど、オレはあの時確かに春の小川と向き合ったんだな、と感じた。観に来てくれたS水氏が打ち上げで「オフクロが『今まであんたが作った番組で一番良かった』と言ってました」と教えてくれた。現在、S水氏は"産科医不足"というテーマのドキュメンタリーを制作中だそう。.....熱中するS水氏のこと、この人命に関わる重いテーマを全身で受け止めているに違いない。
S水さん、最初疑ってゴメン。貴方は最高のドキュメンタリー・ディレクターだ。お互い「また一緒にやりましょう!」の言葉は、社交辞令なんかじゃない。

.....そんなワケで、暗渠熱中人・加瀬竜哉の冒険が終わりまし.....いえ、終わりません(爆)。
編集中に迎えた44回目の誕生日。その瞬間を、オレはひとり春の小川記念碑の前で迎えました。44年前の今日、ここは既に今と同じ"道"で、その前年まではドブ川、だけどその50年前には、この石碑に刻まれた歌詞のような素晴らしい風景が広がっていた。
渋谷から杉並に移り住んだ今も、ちょっと初めての界隈に行くとやっぱり暗渠がある。ってことは、同じ運命を辿り、今は蓋の下で下水道としてオレ達の生活を支えてくれている小川がある、ってこと。
彼等がいなかったら、オレ達が歯磨きしてうがいしてトイレ使って風呂でシャンプーやらリンスやら使って食器洗ったりして汚れた水を、誰が処理してくれるの?。
大雨や台風で水浸しになりそうな時、誰が道を洪水から守ってくれる
の?。
せめて感謝くらいしなきゃ。


ありがとう、暗渠達。
ありがとう、小川達。
最後になっちゃったけど、
ありがとう、NHK。
ありがとう、M川プロデューサー。
ありがとう、撮影スタッフのK平さん、F村さん、I端さん、K原さん、H川さん、Xさん。
ありがとう、編集スタッフの皆さん。
ありがとう、ナレーション担当の渡辺いっけいさん、山田まりやさん。
ありがとう、貴重な写真を提供して下さった毎日新聞社。
ありがとう、杉並区立郷土博物館のT筑さん、H野さん。
ありがとう、白根記念渋谷区立郷土博物館のT原さん。
ありがとう、立ち止まって話を聞かせてくれた皆さん。
ありがとう、興味を示してくれた子供達。
ありがとう、高野辰之先生、弘子さん、岡野貞一先生。
ありがとう、畠山直哉さん、メディアファクトリー。
ありがとう、オレを育ててくれた家族。
ありがとう、音楽。
ありがとう、An's all stars。
ありがとう、マネP。
ありがとう、キューちゃん。

ありがとう、S水ディレクター!。


no river, no life thanks to.

NHK/日本放送協会
オルタスジャパン
オムニバス・ジャパン
株式会社ハンドオン
株式会社だだだ
株式会社アニキ
毎日新聞社
杉並区立郷土博物館
白根記念渋谷区立郷土博物館
渋谷区役所
東京都水道局
東京都下水道局
株式会社メディアファクトリー
トイズウォーカー
An's all stars
CAFFEINE BOMB RECORDS
タクミ商事株式会社

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