朝10時、会場入り。.....何でそんなに早いのかというと、ウチの録音スタッフ/機材と一緒の入りだからなのである。当然メンバーはまだ、でも舞台監督や照明さん/カメラスタッフ、それに乙部の弟子のトオルちゃんらは既に機材搬入中。皆、朝早くからご苦労さま。良い1日にしよう。
会場となる渋谷o-eastは1991年にOn Airとして出来て2003年に立て替え、同じビルにo-crest、duo music exchangeがあり、向かい側にo-westとo-nestを持つ、渋谷/道玄坂にある大きなlive
houseスペースである。付近にはclub asiaや老舗lamamaなどもあり、渋谷出身のオレにとっては屋根裏/クアトロ/chelsea hotelなどとともにとても馴染みのある一角。で、o-eastはその中でも最大規模の所謂"デカバコ"(キャパ1.100人)、もちろん何度か演ってるがいつ来てもそのデカさ/天井の高さにうっとりするトコロ。が、総勢18名が機材と共にステージに上がれば相当な凝縮感となる筈。そして、まだ誰もいない/何もないステージに立ち、眼の前に大勢のオーディエンスがいて、皆で拳を振り上げる瞬間を想像する.....で、ニヤニヤする。それがここへ来て最初にやること。
ステージでは照明のSさんの指示でセッティングが進む。さて、我々が最初にやることはliveレコーディング・システムの設置。今回の担当はヒデに"ウィンダム"と呼ばれて可愛がられているウチのO西君。オレがスタジオでレコーディングを仕切る際、アシスタント/セカンドが3人いて、それぞれウィンダム/アギラ/ミクラスと呼んだりする("ウルトラセブン"ですな)。彼もアルバム制作に関わったAN'S ALL STARSのワンマン、そして録音担当、ということでとても盛り上がってくれている。音響のO田氏とセットアップ/配線などをやりとりしながら、PAブースの中にレコーディング・システムが完成。
ステージ上ではライザーの上に乙部のセットが組まれ、上手にISAO、下手にコーラスの芸者探偵団、その更に奥にハニホニ用ライザー。そしてフロントが上手から左人/祥太郎/ヒデ/オレ/ヒロシ。立ち位置のバミりを確認.....お
お、ゲネの時とヒロシの立ち位置が違う!.....もっとも、足元にエフェクターもなく、更に今回はマイクどころか転がしモニターすらナイ(オレは何故かliveでモニターを聴かない派)、簡単に言えばオレだけが住所不定(爆)。もっとも、セット後半のみのゲスト出演なので、オレがいる間だけ周りの皆が例のカール・コードに気をつけてくれれば上手く行く筈。 |
11時を過ぎ、続々とメンバーが会場に到着。祥太郎は忙しく走り回り、ヒデは生放送明けでろくに寝ていないらしい。辰巳さん、今回は間違えずにちゃんと到着(爆)。それぞれがステージに上がり、その景色を確かめながら楽器のセッティング。サウンド・チェックまでの間、メンバーそれぞれが演奏曲の確認作業。ちなみにこういった大きなハコでは、サウンド・チェック/リハーサル時と本番では客席/モニター共に音像に変化が起きる。どういうことかというと、まだ数十人しかいないリハーサル時に比べ、フロアが満員になった時に音の吸収率が格段に上がるからである。つまり今響いているこの音は本番でははね返って来ない
、などの"予測"が必要となり、決してリハーサル通りのサウンドにはならないのである(コレが冬だったりするとオーディエンスの服装で変化は絶大)。それら全てを見越して、各分野のスペシャリストが最高の舞台を創り上げるのだ。
オレのセットアップはいたって簡単、ブルースキューブにカール・コード差して終わり。メインのギターは10年弾いてるメタリック・レッドのムスタング、今日のサブは'77年製のオールド・ムスタング。この組み合わせが最高、あとは演るだけ。 |
13時、メンバー楽屋にて出演者全員でミーティング。脚本/演出の祥太郎がタイム・テーブルを元にひとつひとつ確認して行く。そして、いくつかの変更点が上がる。「ここ、やっぱりこうしましょう」通常、このタイミングでは"諦める"ことを、ヤツはしない。あくまでも目指したそのイメージのためにこだわり続ける。.....あらためて祥太郎の凄さを思い知った瞬間。
弁当食って、携帯のニュースを見る。京王線と埼京線が止まってる.....皆、間に合いますように。 |
14時半、リハーサルがスタート。ステージの左右に設置された巨大スクリーンに森久保監督の力作が映し出される。.....いつ寝てんだ、コイツ(爆)。良くお互いに"似た者同士"と語り合うが、先月は祥太郎がオレを、今回はオレが祥太
郎をフォローする側。目指すものをイメージし、それを具現化するために多くを取り仕切り、そしていつかは決定しなければならないというこのジレンマ.....とても良く解るよ。今オレ達に出来ることは安心させること。もっとも、彼の描いたものが見えてない/イメージ出来てないヤツはココにはいないから。任しとけ!。な、乙部.....あ、コイツ聞いてナイ(爆)。
オレはフロアとPAブースを行ったり来たりし、ステージ上のモニターと録音状況もチェック。ドラム・ライザーの高さで丁度ヴォーカル・マイクの位置に乙部のシンバル類が回り込むが、全体的にはいい感じ。
そしてここでA-N-Sのソロ・パートの順番に変更。元々は圭君のsax〜オレ〜左人ちゃんだったのだが、圭君が後方のライザーから降りて来てフロントでソロを取る時間を作るためにオレが最初に。当然、音響/照明、カメラ割りも変更。でも皆プロ、パっと演ってみてバッチリ。素晴らしいね。 |
16時、リハーサルが終わり、開場。外の様子は解らないが、楽屋に設置されたモニターで、あっという間にフロアが埋まるのが見えた。.....皆が待ちに待った、でも来ないで欲しいような、不思議な日。何故なら、元よりパーマネントな活動を行うわけではないAN'S ALL STARS、これが3月の渋公から始まった4連チャンの最終日。このあといったいいつ彼等が皆の前に現れるのか、誰にも(メンバー本人にすら)解らないからだ。逆の見方をすれば、この3ヶ月間がファンにとっては夢のような時間だったのかも知れない。その集大成となるこの日を、何より想い出深い1日とすること。そして、次に繋げること。それがAN'S ALL STARSの使命。我々サポート/ゲスト陣も、心してかかります!。
17時40分、10分遅れで"Virgin ? Live Tour 2008 〜Welcome to An's HOSPITAL〜"@o-eastスタート。舞台袖で出演者全員で円陣を組み「どーですか、患者さん!」のコール。オープニング・ムービーが始まり、オーディエンスの歓声があがった。 |
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.....肝心のショーの詳細は9月にTOYS walkerからリリースされるDVDで観られるので割愛/ここまで読んで来てくれた皆さん、ゴメン(核爆)。
出番前の前半、2階席の端からISAO達と観ていたが、正直ここまで凄いと思ってなかった。ヤツらはゲネもリハも遥かに越えた、AN'S史上最高のステージを演っていた。1.000人の患者さん達を相手に、最高のオペを行う執刀医だ。皆と同様白衣に着替え、ついでに付け髭と杖で新宿御苑病院・加瀬院長(脳神経外科/爆)の完成!。
そして今回オレが心がけたのが"パンツが見えない"こと(爆)。3週間前のclub・加瀬コム2008の時、買ってまだ間もないローライズ・ジーンズと下着の相性があまりにも悪く、ちょっと背伸び/前屈みしたらすぐ見えちゃうのに本人まったく気付かず、ステージ上で皆に突っ込まれ、あとで写真/ビデオを観て大反省。しかも何故か(特にアンダチに)やたら好評、アンケートにも「似合う」「素敵」、挙げ句に「パンツ良かったです」などのコメントを頂いてしまい、おおいに反省した43歳は今回絶対に見えない組み合わせを実現したのである(.....)。
.....では、お時間。新宿御苑病院院長・加瀬竜哉がお手伝いに参ります(ヨボヨボだけど)。 |