余裕かます臨時ベーシスト(笑) |
live当日。
開場前からAXには大勢の観客が詰めかけていた。ステージには巨大な薔薇の花が吊られ、メンバーのサウンド・チェックが始まる。突然の事態から二ヶ月、正ベーシスト不在により四人だけのステージをこなして来た彼等にもう迷いは無い。順調にモニター・チェックと舞台装置のリハーサルが終わり、オレはオペレーターのY氏との打ち合わせに入る。この時点では、スピーカー・ユニットに対する音圧の不安はややあった。しかしY氏は「あんまり上げちゃうとアブナイけど.....」と言いつつ、フェーダーをマックスまで上げ、オレの顔を見てニヤニヤしながらオープニングS.E.をスタートさせた。次の瞬間、P.A.席脇にいた女性アシスタントは、可哀想に飛び上がりながら慌てて両耳を塞ぐ羽目になったのである。 |
AXを衝撃が襲う |
.....満員御礼の客席はメンバーの登場を今や遅しと待ち受けていた。定刻をやや回り、客電が落ち、やや控えめだったBGMに代わってオープニングS.E."Sub Rosa"がスタートすると同時にAXは激しく振動し、満員のオーディエンスからは大歓声が上がった。これまでのDの公演と違い、厳粛なムードでは無くアップ・ビートの挑発的なサウンドに乗ってメンバーが颯爽と登場。メンバーをひとり失った筈のDは、逆に無限のプラス要素を手にオーディエンスの中へと駆け出して行ったのである。 |
.....ここでlive内容/セット・リスト等について書き記してしまう程、オレは大らかな人間では無い。何故なら、それはオーディエンス自身が体験するものだからだ。ただ、全ての演奏を終え、"EDEN/piano
forte"に送られながらステージを後にしたメンバーと、興奮覚めやらぬオーディエンスの笑顔はこれまで以上にポジティヴだった事は確かな事実である。
.....当然、オレもだ!。 |
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