スクーデリア・トロ・ロッソのニューマシン、STR6の速さにライバル達が注目している。
先日のバルセロナ・テストでは4日間の総合でハイメ・アルグエルスアリが6番手、セバスチャン・ブエミが7番手、と言う好結果だったトロ・ロッソ。合同テストではここまでブエミが9番手(1,845Km)、アルグエルスアリは18番手(1,553Km)と、決して多くのマイレージを稼いではいないものの、両ドライバー共に速いタイムが出ているのは明らかで、下位に低迷した昨シーズンからの脱却を計るべくチームが努力したのが報われつつあるように見える。一緒にトラックを走ったマクラーレンのルイス・ハミルトンは「嘘みたいに速い」と評し、ジェンソン・バトンは「一貫性の面でもなかなか強力」と発言。フェラーリのフェルナンド・アロンソも「去年より大きく進歩しているようだ」と、トロ・ロッソSTR6・フェラーリの速さに驚いている模様。アルグエルスアリは「全てのレースでポイント獲得を狙う」と意気込んでいる。果たして大きな飛躍の年となるか、今季注目のチームと言える。
ごくたまに、それでも定期的に、近代F1のようなガチガチのレギュレーションの中でも中堅チームが突出した性能を持ったマシンを造り上げ、コースやコンディションによっては驚くような成績を収めることはある。近年では2009年、高速コースのスパ・フランコルシャン(第12戦ベルギーGP)でジャンカルロ・フィジケラがポール・ポジション獲得〜2位表彰台と言う快挙を成し遂げたフォース・インディア、前年、ドシャ降りのモンツァ(第14戦イタリアGP)でセバスチャン・ヴェッテル及びチームの初勝利を演出したトロ・ロッソも同様だった。
今季のトロ・ロッソSTR6は独自の「ダブル・フロア構造」で他チームとの差を着け、勝負に出る。アルグエルスアリは「ダブル・ディフューザー禁止も、ピレリ・タイヤの参入も、僕達には有利」とコメント。レッドブルの育成プログラムのふたりの若いドライバーにとっても、今季はAチームであるレッドブルへの昇格が懸かった大事なシーズン。トロ・ロッソは間違いなく要注目だ。