セパン・サーキットのラズラン・ラザリ社長は、F1マレーシアGPをナイト・レースにすべきとの考えを明らかにした。
ラザリ社長はAFPの取材に対し、現在のF1マレーシアGPは「輝きを失っている」と発言。特に隣国のシンガポールがF1初のナイト・レースとして市街地コースでのF1開催を成功させたことにより、マレーシアがその分の損害を受けていると考えている。ちなみに2010年のマレーシアGPは13万人収容にも関わらず動員10万人を切り、1999年の初開催以来落ち込み続けている。また「政府にくたびれたグランド・スタンドの修復代金を要請したが、彼らからは何の返事もない」と予算に関しても乏しいことを認め、「2015年の契約延長交渉の前に、1度ナイト・レースを開催するべきだ。マレーシアは夜の方が涼しいので、観客も増えるだろう」としている。
ちなみにF1マレーシアGPのチケットは全イベント中でも格安で、最も安い席は僅か11ポンド(約千円)だと言う。
1999年にヘルマン・ティルケ設計のセパン・インターナショナル・サーキットが完成した際、大きな蓮の花のデザインを見ながら「なんと近代的で素晴らしいサーキットなのだろう」と驚愕した。あれから僅か12年、いつの間にか雨漏りするグランド・スタンドは改修のメドも立たず、年々観客数も落ち込んで行っているとのこと。
こうなってしまった原因は、ひとことで言って「国際イベントの少なさ」である。完成当初は多くのイベントで賑わったものの、中国、韓国、そして中東へと人々の興味が移り、GP2のアジア・シリーズなどもアブダビやバーレーンでの開催となり、気付けばマレーシアは重要なマーケットから堕ちてしまっていた。そうなれば当然維持費も出ず、管理は繁栄の上にしか成り立たないと言う、悪い法則に則ってしまうのである。
そう考えれば、2度しかF1開催のなかった富士などは、まだ遥かにマシな存在と言える。