記事一覧

ヴェッテル「ライバルはアロンソとハミルトン」

ファイル 73-1.jpg

F1史上最年少世界王者、セバスチャン・ヴェッテルが今季のライバルについて語った。
続き
2010年のF1世界選手権を最終戦まで複数のドライバーと争い、逆転/僅差で史上最年少王者となったセバスチャン・ヴェッテルは母国ドイツの「Sport Bild」のインタビューで、ディフェンディング・チャンピオンとして迎える2011年シーズンのライバルをふたり、挙げることとなった。
「フェルナンド(アロンソ)はもちろん、ルイス(ハミルトン)も最高のドライバーのひとりだ」とヴェッテルは即答。「でも、もちろんミハエル(シューマッハー)も手強いし、(フェリペ)マッサだってタイトル争いをしたのはそう昔のことじゃない(2008年)。昨年はニコ(ロズベルグ)も力を見せたし、ジェンソン(バトン)も能力は実証済みだよ」
昨年、大きな緊張関係にあったチーム・メイトのマーク・ウェバーに関しては「僕らのマシン次第だ」と意味深な発言にとどまった。「必ずしも僕達は同じ波長ではないんだ」

若干23歳の若き雄・ヴェッテルは、言葉と相手を慎重に選んだ。大丈夫、言い忘れてる相手はいない。それで充分だ。…いや、もしかしたらチーム・メイトの名は敢えて伏せようと思ったのかも知れない。が、結局はインタビューアーの巧みな話術により誘導され、それでもチャンピオンとしての威厳を保ちながら答えた。また、多くの人が精神的にも技術的にも、加えて言うなら政治的にも、レッドブルと言う王国の中でヴェッテルがウェバーに完全勝利した、と考え、ウェバーは既にヴェッテルの眼中にない、と思われがちである。
…実際は逆だ。ヴェッテルが今季最も恐れているのは間違いなくウェバーである。「マシンが違う」と言う言い訳も、ライバルとの競争と言うニュアンスも通用しない、そして昨年の大失態で「開き直った」ウェバーが、今季史上最年少王者の最大のライバルとなる。後のないウェバーはがむしゃらに勝ちに来る。そして若き王者は「防衛」と言う、まだ知らぬ領域での闘いを強いられるのだ。