バルセロナでリウッツィをテストしたHRTは、場合によってはクリエンと契約すると報じられている。
フォース・インディアを解雇され、HRTのシート争奪戦に参戦中のヴィタントニオ・リウッツィは、一部報道によれば今季のレギュラー・シートは逃したものの依然フォース・インディアの契約下にあり、現在はフォース・インディアとの損害賠償金に関しての交渉中とされている。よって、現段階でリウッツィがHRTと契約してしまうとフォース・インディアとの交渉が不成立、或は契約不履行となる恐れがある。これにより、HRTは開幕を目前に控え、昨年後半に起用し、印象的なドライブを見せたクリスチャン・クリエンと早期に契約するのではないか、と見られている。
F1ドライバーの契約書の中身、と言うのがこれがまた実に緻密で膨大なもの。もちろん年間数億〜数十億円と言う巨額が絡む以上致し方ないが、恐らくフォース・インディアとリウッツィとの間で交わされた条項に、ドライバー自身と他チームとの交渉についての複雑な項目が存在するのだろう。もちろんリウッツィ自身がそれを知っていたかどうかは定かではないが、チーム側と弁護士は確実に把握した上で全てを行っている筈。
巷で「裁判中/審議中なのでコメント出来ない」と言った受け応えは聞き慣れたものだが、F1ドライバーもこうしたことに関してのコメントすら制限されている。それ故に、本来一方的な解雇で文句のひとつでも言いそうな立場にいる筈のリウッツィは、古巣のチームに関してひとことも触れないのである。