警察と反政府デモ隊が衝突しているバーレーンで、今週末に予定されていたGP2アジア第2戦が中止になった。
エジプトのムバラク独裁政権の崩壊に絡み、死者も出ているバーレーンでは今週末に第2戦が予定されていたGP2アジア選手権が「バーレーン・モータースポーツ連盟の要請により」、中止されることがGP2アジアシリーズの発表で解った。F1も、2週間後にシーズン前の最後の合同テストのためにバーレーンへ移動する予定だが、バーニー・エクレストンはすでに懸念を表明。しかし、現在バーレーンではレースのメディカル・スタッフが首都・マナマの病院に集められており、インターネット・アクセスは制限、更にジャーナリストらの入国もストップされている状態だという。ジャン・トッドFiA会長は「我々が最重視するのは安全である」と公式声明で語った。これにより、3月11日から開催されるF1開幕戦への影響も懸念され始めている。
バーニー・エクレストンの推進して来たアジア/中東への進出は、ヨーロッパに比べ安定しない政治情勢、という形で問題に直面した。近代F1となってからはこうした事例によるレース・キャンセルはなく、最近では1995年、岡山県のTIサーキットで行われたF1パシフィックGPが阪神淡路大震災の影響で4月から10月に延期されたのが最も近い例で、サーキット建設がギリギリだった昨年の韓国GPでさえ、スケジュール通りに開催されている。鈴鹿が2度、豪雨で予選が決勝当日、と言う例もあったが、こうして見ると全て非ヨーロッパのアジアでの例ばかりだが、それだけF1世界選手権のカレンダーは、ヨーロッパでは固定されたら動かないものだった。
が、ここへ来て政治情勢、というどうにもならない理由によって遂にGP2が中止。サクヒールは首都マナマ近郊であり、このままではF1開幕戦がキャンセルになり、全20戦の予定が19戦となる可能性が高い。ヴァージン・レーシング代表のジョン・ブースは「代替えレースは現実的ではない」と語っている。また、3月3日からの予定となっているF1合同テストに関して、FOTAが近く会合を開く予定とのこと。
一刻も早い、事態の平和的解決を祈る。