元F1ドライバーのキミ・ライコネンは2年目となるWRC(世界ラリー選手権)に自身のチームで参戦し、開幕戦を8位入賞で終えた。
今季から自身が発足した「Ice1・レーシング」のドライバーとしてシトロエンDS3WRCで世界ラリー選手権に参戦するライコネンは、2011年の開幕戦、スウェディッシュ・ラリーをトップから6分22秒遅れの8位でフィニッシュした。ライコネンは第2レグ・2ndループで6番目のタイムを記録し、速さをアピール。優勝はフォードのミッコ・ヒルボネン、昨年7回目のタイトルを獲得したセバスチャン・ローブは6位に終った。
ラリー事故で長期離脱が確定的となったロベルト・クビサの代役として、ライコネンの名が浮上したのは決して不思議なことではない。何しろライコネンは2007年F1世界チャンピオンであり、未だ31歳という若さの現役ドライバーだからだ。昨年ライコネン獲得に動き、交渉決裂したロータス・ルノーGPのエリック・ブーリエは、今回ライコネンをクビサの代役として起用するとの噂を「我々の話は既に終っている」と否定した。また、ライコネンのWRC離脱の可能性について聞かれたシトロエンのレース部門代表、オリビエ・ケネルも「キミがF1に戻りたいと言うのならば、我々は何も出来ない。ただ、説得は相当大変だろうけどね」と、F1復帰が現実的でないという見方を示している。
人選としては素晴らしいが、この話は完全に実現不可能だ。唯でさえ、オフ・シーズンにドライバーにラリー参加を許した件で攻撃されているブーリエ。仮にラリーで怪我をしたドライバーの代わりをラリー・ドライバーが努めれば、ルノー/ブーリエはますますやり玉に上げられてしまうだろう。もしもライコネンが承諾することがあったとしても、その契約条項には間違いなく「自由にラリーに参加出来ること」という項目が入る筈だからだ。