フジテレビは19日、2012年のF1中継について発表を行い、地上波放送の終了が決定した。
フジテレビは19日、FOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)とのF1中継契約を2年間延長したことを発表、この契約は2012年と2013年の2年契約で、CS放送ではこれまで通り全セッションを生中継するが、地上波での放送は行わず、BS放送(BSフジ)で全戦の予選と決勝を放送すると発表された。
フジテレビの広報は、地上波からBS放送へF1放送を移す理由を「近年、BSの視聴可能世帯が増えてきたため」とし、BSでの放送時間などは2月に発表される予定だが「地上波よりは見やすい時間帯になる」としている。
フジテレビとFOMの契約更新が行われずに越年したことは注目の状況だったが、結果的に日本のF1ファンにとっては残念な、そして国際的に見ても大きな決定が行われた。「地上波放送の終了」は、ファンの新規開拓が望めなくなっている状況を意味している。が、これが今の日本の状態をも表している。むしろ、この状況でフジテレビはよくぞ2年間の契約延長を決断したと思う。
ホンダ、トヨタ、ブリヂストン、或いはヤマハ、東芝、サンヨー、JT…大企業のサポート/スポンサードがなければ地上波中継は続けられないのだ。サムライ・カムイがどれだけ奮闘してもどうにもならない壁がここには存在する。そして、それが出来ないのが今の日本経済界であり、世界経済の状況なのである。
相当な抗議でインターネット上も荒れることが予想されるが、3年後の日本にF1中継が存在していない可能性すらあることは覚悟しておくべきだろう。BSへの放送移行をポジティヴに捕らえるのは難しいだろうが、ある意味スポーツ・イベントとして人気は「ここで定着」と言う時期をとうに越えており、もうセナ・プロ・中嶋時代のようにはならない。
我々に出来ること。それは応援し続けることだ。