セバスチャン・ヴェッテルの「オーバー・テイク能力」について論議が起こっている。
24歳の若さでF1ドライバーとして大きな成功を収めているヴェッテルだが、これまでその勝利のほとんどをポール・ポジションから勝ち取っており、戦ってライバルをオーバー・テイクして勝つことは出来ない、との批判もある。ドイツGPではヴェッテルは3番グリッドからスタートし、レースの大半にわたってマッサの後ろを走るが、結局抜くことが出来ず、ファイナル・ラップのピット・ストップ競争によってマッサの前に出た。元レッドブルのドライバーで現在解説者を務めるデビッド・クルサードは次のように語った。「彼は(マッサの前に出るのに)ピット・クルーの力を借りなければならなかった。他車のすぐ後ろを走る状況での彼のレースの能力に関してはまだ評価が出来ない」同じくレース解説者を務めるアンソニー・デビッドソンはヴェッテルについて「彼はひとりで走っていると速いが、戦うのは好きじゃないようだ」とコメントしている。
レッドブルのマシンが後方からの追い上げに適しているかどうかは、「不運の」チーム・メイトが証明してしまっている。王者の真価が問われ始めている。