スペイン/ヴァレンシアで行われたF1第8戦ヨーロッパGPは、1台もリタイアすることなく全てのマシンが完走した。
「全車完走」はF1史上、これで3度目の快挙である。最初は1961年第2戦オランダGP、レースに出走した15台のマシンはただの一度もピット・ストップすることなく、2時間のレースを走り切った。勝者はウォルフガング・フォン・トリップス(フェラーリ)。これがF1史上初の「全車完走」レース。次は2005年第15戦イタリアGP、ちなみにこの時は全部で20台、今回は24台。レース序盤のシューマッハーとペトロフの接触以外、大きな事故もなくストリート・サーキットのレースを終えたのは特筆に値する。もちろんセーフティ・カーも出ず、全てが完璧な「レース」だった。暑さも相当なものだった筈だが、現行エンジンの信頼性にも感心するばかり。
また、これによって各チームの勢力図もより明確になった。鉄壁のレッドブル、波のあるマクラーレン、コース特性を選ぶフェラーリとメルセデスGP。ロータス・ルノーGPとフォースインディア、トロ・ロッソが中団を形成、ウィリアムズとザウバーは苦戦。そして未だ誰も抜け出せない新興3チーム、と言う図式だ。
ついでにもうひとつ、前回の2005年イタリアもアロンソが2位(ルノー)、12位にバリチェロ(フェラーリ)、そして最下位はカーティケヤン(ジョーダン・トヨタ)だった、と言う偶然…。