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グロージャン、古巣へ復帰

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元ルノーのロマン・グロージャンがロータス・ルノーGPのリザーブ・ドライバーに就任したことを発表した。
続き
2008年GP2アジア選手権王者/24歳のグロージャンは2009年、チームを解雇されたネルソン・ピケJrに代わってルノーからF1デビュー、しかしチーム・メイトのフェルナンド・アロンソに及ばず、僅か半年でシートを喪失。2010年はGP2に復帰してレース活動を行っていた。「今季サード・ドライバーとしてあらためて経験を積み、前回(2009年)にいったい何が足りなかったのか、何がいけなかったのかを学ぶことが出来る」と抱負を語った。ちなみに、ロータス・ルノーGPのリザーブ・ドライバーには既にマレーシア人のファイルーズ・ファウジーがいる。「2012年にはレース・ドライバーとして復帰したい」
グロージャンは今季、ロータス・ルノーGPのリザーブ・ドライバーとして全戦に帯同しつつ、DAMからGP2、GP2アジア選手権にフル参戦する。

自身初のフォーミュラ・カー・レースであるフォーミュラ・ルノー・スイス選手権全10戦を全て最速ラップ付きで勝った「神童」グロージャン。「クラッシュ・ゲート事件」を置き土産にチームを去ったピケJrに代わり、混乱するルノーから2009年後半7戦に出場、予選最高位12位、決勝最高位13位と良いところなくキャリアを終えた。エースで2度の世界王者であるアロンソに比べてあまりにも見劣りする成績/走りだったことは否めず、解雇は当然の結果だった。
が、昨年やむなく復帰したGP2で、グロージャンは明らかに速く、時折チャンピオンのパストール・マルドナド、選手権2位のセルジオ・ペレスを喰う勢いだった。また第3戦から途中参戦したAuto GP選手権ではポール・トゥ・ウィン・デビューを飾り、王座獲得。FIAGT選手権でも開幕勝利を遂げており、相変わらず「いきなり速い」ところを見せている。
にも関わらず、グロージャンのキャリアの中で肝心のF1だけが「思い通りに」行っていない。これには、あまりにも当時のルノーが「アロンソ中心」のチームだったことも関係している。現在もルノー(ロータス・ルノーGP)はエースにロベルト・クビサを据え、ロシア人のペイ・ドライバーであるヴィタリー・ペトロフをセカンド扱いにチームを構築しているが、こうした傾向は、アロンソを初めピケJrやグロージャンのマネージメントを行っていたフラビオ・ブリアトーレがチームを仕切っていた2009年当時、現在よりも更に顕著だった。
一発の速さでは相当な才能の持ち主である筈のグロージャンだが、F1で彼に足らないのは「政治力」である。逆にそこをフォロー出来る有能なマネージャーがいれば、グロージャンの才能は遺憾なく発揮出来るだろう。