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ブロウン・ディフューザー禁止へ

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FIAは、ブロウン・ディフューザーを7月の第9戦イギリスGPから禁止すると発表した。
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FIAは第5戦スペインGPからブロウン・ディフューザーを禁止すべく動いていたが、チーム側の要望で延期となっていた。しかし土曜日、FIAは第9戦イギリスGPから正式に禁止することを各チームに通達、2012年からは更に厳しく規制する。ブロウン・ディフューザー禁止の理由として、システムがエンジンの可動パーツによって空力に影響し、「可動空力デバイスの禁止」というテクニカル・レギュレーションに抵触していることが大きい。これを受けてウィリアムズのサム・マイケルは「これにより、エキゾーストはディフューザーに影響を与えることが出来なくなることをFIAは明確にした」と語り、メルセデスGPのロス・ブラウンは「我々のレース・モードではあまり差はないが、予選では0、5秒から1秒くらいラップ・タイムに影響するかも知れない。そのアプローチが実現不可能で、大きな問題になると言うことを示すことが出来なければ、それは進められるだろう」と懸念を示した。

オフ・スロットル時にディフューザーに排気ガスを送り、ダウン・フォース効率を高める画期的なアイテムであるブロウン・ディフューザー。今回の禁止は、ホット・ブローイングとコールド・ブローイングという2種類のディフューザーに適用される。どちらもマシン後部のダウン・フォースを増加させる効果があるが、現状ではホット・ブローイングの方が効果的、とされている。ちなみにザウバー、トロ・ロッソ、ウィリアムズ、ヴァージン、HRTはコールド・ブローイングを採用、つまりホット・ブローイングを採用している上位チーム勢に大きな影響が出る。これによりトップ4と中堅チームとの戦力差を縮め、且つ経費削減を実現しようとするもの。少なくともレッドブルの得意分野をひとつ潰すことで選手権独走にあわよくば「待った」をかけたい。第9戦はギリギリのタイミングだろう。