レッドブルのクリスチャン・ホーナーは、スペインGPでのペースが予選に比べて調子が悪かった主な理由はタイヤにあると考えている。
予選ではマクラーレンのルイス・ハミルトンに対して1秒近い大差をつけたセバスチャン・ヴェッテルだったが、レースではハミルトンを突き放すのに苦戦し、レース終盤のドッグ・ファイトを演出してしまった。レース後、ハミルトンは「僕達の方が速かった。もしパス出来ていれば引き離せただろう」と語り、3位のバトンも「予選ではレッドブルと1秒も差があったのに、レースでのこのペースにはちょっと驚いているよ」とコメントした。ホーナーはその説明はタイヤにあるとし、レース距離では単純にレッドブルの速い予選ペースにタイヤが耐えられなかった、と述べている。「全てはタイヤだった。予選ではタイヤの力を最大に引き出すことに成功し、それがこのコースでの巨大なマージンに繋がった。だがそういうタイヤをレースで酷使出来るとは思わない。レースでは私達の予想以上にマクラーレンがかなりコンペティティブだった。面白いね。2週間前にはフェラーリが一番のライバルだったのに、スペインで我々は彼等を周回遅れにしているんだ。つまり、サーキットごとに変わるということさ」
異次元の速さを見せるレッドブルRB7だが、アキレス腱はKERSのみならず、今季様々なドラマを演出しているピレリ・タイヤでもあるようだ。タイヤの性能をマシンの速さが上回ってしまい、レースではその最も僅かな「オイシイ瞬間」を引き出すのに苦労している状況と言える。しかしそれがレース終盤のスペクタクルを演出したことも事実であり、ピレリ・タイヤは実際のポイント・ランキング以上の白熱した選手権の立役者、と言えそうだ。