不本意なシーズン・スタートを切ったフェルナンド・アロンソだが、まだフェラーリには状況を好転させる力があると信じていると語る。
フェラーリのアロンソは開幕3戦を終えて4位/6位/7位となり、計26ポイントでドライバーズ・ランキング5位と、当然ながら不本意なスタートとなった。アロンソはフェラーリの公式ウェブサイトで
「確かに僕達とファンが望んだようなシーズン・スタートではなかった。2人で50点と言うのは十分ではなく、現在のパフォーマンスが良くないことも解っている。でも僕はチームを信じているし、状況はすぐに変えられる筈だ。根底にあるものが何か解っているし、マラネロからはさあ反撃だ、という意欲を感じる。去年のトルコやイギリスでは、もう来年のマシン開発にシフトした方が良いと言われていた。でも僕達は諦めず、最終戦までタイトル争いに加わることが出来た。スローガンのように聞こえるかも知れないけど、F1ではネバー・ギブ・アップが真実なんだよ」
しかし、アロンソは現実的に見て、決して一晩で改善は実現しないと言う。「僕が現状を軽視しているということではない。むしろその反対だ。あらゆる面で、改善には懸命なハードワークが必要で、全ての要素が最善の状態で機能した時に初めて成功が訪れる。マシン、戦略、ピット・ストップ、ドライバー、そしてチームの全ての人達だ。僕たちは追い付かなければならないし、時間を失うわけにもいかない。今から数週間、周りものんびり待っていてはくれないしね。でもバルセロナの最終テストの後、皆今年のマクラーレンには期待出来ない、と言った。ところが彼等は表彰台を獲得し、中国では遂に勝利を収めた。ヴェッテルを倒すのは不可能だと言われたけど、上海の結果を見ただろう。たった3戦で、決定的な判断を下すにはまだ早いのさ」
シューマッハー、ライコネンに続く21世紀フェラーリ・チャンピオンの獲得請負人として、巨額のギャランティと共に鳴り物入りで跳ね馬へ加入したスペインの英雄、アロンソ。しかしその走りは相変わらず安定性を欠き、時折チーム・メイトの後塵を拝するシーンも増えて来た。トルコGPからのアップ・デートが失敗に終った場合、また彼は1年を棒に振ることになる。マクラーレン移籍〜ルノー復帰の「無駄な3年間」を経験しているだけに、王者の焦りは相当なもの。下手すれば、その焦りがアロンソの弱点にもなり得る。