メルセデスGPのノルベルト・ハウグは、今季フォースインディアからF1デビューしたポール・ディ・レスタの活躍を賞賛している。
ルーキーのディ・レスタは、先週の中国GPこそ11位に終わり、3戦連続のポイントは逃したものの、今季序盤の3戦でチーム・メイトの実力派、エイドリアン・スーティルを全て予選で降し、早くもパドックの関係者から広く注目を集めている。ディ・レスタはメルセデス・ベンツの若手育成プログラムのドライバーであり、DTM(ドイツ・ツーリング・カー選手権)時代からディ・レスタを見続けて来たハウグは「彼は特別で、注目に値する。F1デビューから僅か3戦目で予選8番手を獲得したのは素晴らしかった。しかも前日のフリー走行では僅かな周回しか走れなかったのにね。我々は彼がDTM時代から極めて有能だったことを知っているし、F1は彼に合っていると思う。チーム・メイトは強力だが、彼のスピードはとても印象的であり、ここまで非常に良い仕事をしているよ。今は、ジュニア時代から彼をサポートして来たことをとても嬉しく思っているんだ」と、ディ・レスタのスピードを高く評価している。
現在メルセデス・ベンツ製エンジンを搭載する、所謂メルセデス・ユーザーはワークスのメルセデスGP、マクラーレン、そしてフォースインディアの3チームである。もちろんレッドブルとトロ・ロッソのような関係にあるわけではないが、ディ・レスタがメルセデス・エンジン使用チームで大活躍すれば、そのままワークスのメルセデスGPのシートに抜擢される可能性がある。もちろんマクラーレンの人選には口出し出来ないだろうが、なかなか勝てずに足掻くニコ・ロズベルグと「いついなくなってもおかしくない」ミハエル・シューマッハーを抱えるメルセデスGPにとって、ディ・レスタの成長は非常に重要な意味を持つ。特にルーキー・オブ・ザ・イヤー候補のマルドナド(ウィリアムズ)がチームの不振に飲み込まれ、ベテランのチーム・メイトが今ひとつの現在がチャンスであり、ディ・レスタはそのチャンスにしっかり結果を出している、と言える。特に、ザウバー2台の失格による開幕戦繰り上がり入賞、のようなラッキーさもF1では重要なこと。何故なら、実際には12位でフィニッシュしていても、キャリアには「デビュー戦で入賞」と残るのだ。