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ピット作業選手権

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ドイツのメディアによれば、開幕から3戦を終えて最も効率の良いピット作業を行っているのはメルセデスGPだった。
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コース上のドライバー同様、ピット作業で凌ぎを削るピット・クルー。2010年からレース中の給油は禁止され、ピット・ストップは基本的にタイヤ交換のみ。また今季からF1のタイヤ・サプライヤーとなったピレリのタイヤは、その耐久性の低さからブリヂストン時代に比べてタイヤ交換の回数が増え、これまで以上にピット・クルーのタイヤ交換の素早さがレース戦略/結果にとって重要になっている。ドイツのAuto Motor und Sportがまとめたところによると、今季ホイール・リムとホイール・ナットが外れないような機構を開発し、タイヤ交換作業の時間短縮に成功したメルセデスGPが最も短時間でドライバーをコースへと帰すことに成功。クルーの正確な仕事ぶりに定評のあるマクラーレンを合計タイムで0、08秒上回った。名門フェラーリは意外にと言うかやはりと言うべきか7位と低迷、最下位はHRTでトップのメルセデスGPからは約3、3秒遅れだった。

ピット作業と言えば先週末、マクラーレンのジェンソン・バトンはレッドブルのボックスへピット・イン。ウェバー担当メカのマーク・レントンが「陰謀だ!」と激怒した珍しい一件があったばかり。トロ・ロッソでは焦ったアルグエルスアリの右リア担当メカがホイール・ナットが締まっていないのに作業終了の合図を出し、ホイール脱落で罰金。表彰台争いをしていたマッサはクルーが作業に手間取い、ピット・アウトが遅れたことに腕を振り上げて怒りをあらわにした所を、車載カメラで全世界に中継されてしまった。
ピレリはその特性から確かにレース戦略に大きな影響を齎している。それだけピット作業もシビアになっていると言う証しだが、数年前からフェラーリが拘っていたロリポップ代わりのシグナル・システムも、熟成が進んで今やスタンダードと成りつつある。各チームの戦力にピット・クルーの仕事が大きく関わっているのだ。
それにしても、トップのレッドブルから3、3秒遅れで最下位のHRT…マシン性能と同じ差がここにも表れているのが興味深い。

メルセデスGP   22、301(秒)
マクラーレン    22、383
レッドブル     22,589
ザウバー      23、067
フォースインディア 23,340
ルノー       23、615
フェラーリ     23、739
ウィリアムズ    23,810
トロ・ロッソ    23、960
ロータス      24、220
ヴァージン     24,944
HRT       25、676
(Auto Motor und Sport)