ザウバー・チーム代表のペーター・ザウバーは、2011年シーズンの序盤戦を振り返り、現在の状況に満足感を示した。
ここまでエース・小林可夢偉の連続入賞で計7ポイントを獲得しているザウバー。ペーター・ザウバーは「今シーズンのマシンは最初からコンペティティブであり、信頼性のあるものにしたかった。この第一目標は明らかに達成出来た。メルボルンでのリア・ウイングの不注意さえなければ、今頃総合ポイントは素晴らしいものだった筈だ。現実には7点だが、それは良い。重要なのは、どのレースでも我々が実力で選手権ポイントを争える位置にいた、ということ。しかし上海のレースではライバルも更に力をつけてきていることが解った。よって、これから進歩し続けていくことが更に重要になって来る。いくつかのチームは次戦トルコGPで大がかりな開発パッケージを持ち込むと言っており、再びオーダーがかき回されるだろう。我々はスペイン/バルセロナのレースで大きなアップグレードを予定している」と語り、エースの可夢偉について「今季は可夢偉がリーダー・シップの役割を引き受けている。可夢偉は昨年、ドライバーとして素晴らしい成長を遂げた。そして今、彼はエンジニアに挑戦し、適切な開発経路を辿ることを手助けし、新しい役割を果たしている。更に彼はトラック上での際立ったオーバー・テイクによって、我々に多くの歓びを与え続けている。更に重要なのは、彼が本物のチーム・プレーヤーであることだ。そのことにはセルジオにとっても利益となっている」と高評価し、ルーキーのセルジオ・ペレスには「セルジオが速くて若いドライバーであることは解っていたが、ルーキーがレース週末のプレッシャーの中、フルにポテンシャルを発揮出来る保証はどこにもない。セルジオには高い期待を抱いていたが、これまで彼はその期待を上回っているよ。タイヤの扱いがとても上手く、レースではコンスタントな走りが出来る。その一方で、セルジオ自身はまだ自分が長い学習過程のスタートにいることを理解しており、そのひとつは上海の日曜日のようなインシデントである。しかしセルジオなら一歩一歩乗り越え、内に秘めた巨大なポテンシャルを最大限まで発揮出来るようになるだろう。ここで重要なのは、彼がチームに居心地の良さを感じ、能力の開発を出来る限り助けられる環境にいることなんだ」と語った。ザウバー・チームは、第5戦スペインGPで、レッドブル流の排気システム投入を予定している。
開幕から得意のタイヤに対する優しいマシン特性を活かし、昨年課題だったトップ・スピード不足も解決した新車、C30を上手く熟成させたザウバー。ようやく開発に余裕が生まれ、ヨーロッパ・ラウンド開始から足らないものではなく「プラス要素の開発」に力を入れられることとなった。新たな排気システムはコンマ5秒のタイム更新が見込まれ、「きちんとテストするまでは投入しない」としながらも、次戦トルコGPの金曜フリー走行で小林可夢偉がこの新排気システムをテストする予定。「スペインで喜べるよう、今は待とう。これまでに投入した新技術は、全て我々を進歩させてくれたがね」久しぶりにザウバー代表の自信たっぷりの笑顔だ。