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新F1エンジンへの懸念

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2013年からF1に導入される予定の新エンジン・レギュレーションについて、様々な意見が飛び交っている。
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FIA世界モーター・スポーツ評議会(WMSC)は昨年12月、2年後の2013年に現行のV8エンジンに代え、新たに4気筒ターボ・エンジンに切り替えることで一旦同意。しかしそれ以来、バーニー・エクレストンは「あまりにもコストがかかる」として変更を非難。エクレストンが懸念するのは、気筒数が現行のV8エンジンの半分に減り、最大回転数が6,000rpmに下がることで起こる新たな「エンジン音」が、サーキットを訪れる観客とテレビ視聴者の双方の減退につながる可能性があること。この批判はエクレストンだけでなく、フェラーリ会長のルカ・ディ・モンテツェモーロも今回のエンジン・サイズの縮小は「あまりにも度が過ぎる。4気筒のフェラーリなどとんでもない。F1の市場立場を考えれば、6気筒でも適正規模な筈だ」と述べていた。
しかし、ウィリアムズ会長のアダム・パーは「なぜ新しいエンジンが必要なのかは、長年V8エンジンでやって来て、技術が時代遅れとなる。変化を望まない人々は、変化しないことで現在のアドバンテージを維持することが可能、と考えている人々だ。問題は、F1の停滞を感じれば一気に関心が失われてしまうこと。シャシーもエンジンも、コンスタントな改革そのものがF1の本質となる」と、そのメリットを語る。「ひとつのファンでエンジンに過給するための電力を発生し、別のファンでバッテリーを再充電し、再び使えるようにエキゾーストからエネルギーを回生させられるだろう。そうすれば4気筒から800馬力を超える力を生み出すパワー・トレインを搭載出来る。私は素晴らしい音になると思う。ピット・レーンでは電力だけで走るにことになるかも知れないね」
ロイター通信によると、現在のF1チームの多くにエンジンを供給するメルセデスGPとルノーはこの変更に関して支持していると言う。

自動車メーカーがF1に求めるメリット、それは自社の最先端技術の評価である。フェラーリがハイ・パワーのV12サウンドで魅了し、ホンダやルノーが効率の良いV10で結果を出し、フォード・コスワースV8が小回りと燃費で勝負する…かつて、確かにそんな時代があった。が、V8に統一された今は信頼性とKERS熟成技術くらいしか見せ所がなく、そこに個性を見出すことはもはや難しい。願わくば、その電気自動車/低燃費技術への移行がレーシングの基本に準じたものとなってくれることだけだ。パーの意見は極めて論理的だが、昨年のFIA表彰式でのインタビューで「音が変わってしまったらF1は寂しい」と呟いたエクレストンじいさんが、まるで子供のようなピュアな眼をしていたのが忘れられない。