開幕から3戦、ここまでチーム・ロータスの大ベテラン、ヤルノ・トゥルーリは今ひとつ元気のないシーズンを送っている。
1997年のF1デビュー以来15年目のシーズンを送るトゥルーリだが、今季はここまで3戦全てでチーム・メイトのヘイキ・コヴァライネンに得意な筈の予選で負け、第3戦中国GPではコヴァライネンがザウバーのペレスとウィリアムズのマルドナドを食って殊勲の16位フィニッシュをした影でヴァージン勢の上の19位と、らしからぬレースが続いている。レース後のコメントも「良いスタートを切り、ヘイキも僕も後続のマシンを引き離して前のクルマと戦うと言う戦略を続けることが出来た。最初のピット・ストップは良くなく、タイヤのデグラデーションにも問題を抱えているけれど、チームの結果だ。自分達が望んだようにキッチリと発展していることを証明しているから、それがチームの皆にとって大きなモチベーションになるんだよ」と、控え目にコヴァライネンの好成績に言及する形で、どうも元気がない様子。2010年のチーム創設時、「勝利経験のあるドライバーを」とのトニー・フェルナンデスの希望に適うドライバーとしてロータス入りしたものの、現実的なモチベーションはやはり2009年のトヨタで終ってしまっているのではいか、と言うファンの心配を生む。実際チーム・ロータスで勝利を得ることは不可能だが、まだ若いコヴァライネン相手に影が薄くなるような走り/言動は、トゥルーリ自身のキャリアに致命的な一石を投じかねない。
ヘルメットに日本地図を描き、大震災からの復興を願うほどの親日家でもあるトゥルーリ。36歳/15年目の挑戦はモチベーションの高め方が課題となる。後方での争い、完走狙いのチーム状況がままならないのは理解出来るが、このままではリザーブ・ドライバーとなったチャンドックにインドGPでシートを奪われ、そのままシート争いから離脱、なんてことになりかねない。まだまだ!。