ウィリアムズを離脱したニコ・ヒュルケンベルグが、2011年はフォース・インディアのテスト・ドライバーとなる可能性が高くなった。
ヒュルケンベルグのマネージャーであるウィリー・ウェーバーは「1年間活動を休止することも選択肢だった」と語った。「ただし、現在のF1ではすぐに忘れられてしまうので、最低でも金曜プラクティスだけでも走っていた方がまだマシだ。正式発表にはまだかかると思うが、それが今我々が言えることだ」
これまでヴァージンからもオファーがあり、現状でまだHRTにも空席は残っているものの、ウェーバーはそれらのオファーを断ったことを認めている。「ニコほどのドライバーが、小規模な新規参入チームから学ぶことは既に何もない。しかもヴァージンには既にティモ・グロックがおり、ふたり目のドイツ人、というのはニコにとってあまりにもリスクが高かった」
2010年のゴールデン・ルーキーとしてウィリアムズからF1デビューし、第18戦ブラジルGPではチームに5年振りとなるポール・ポジション獲得を齎したヒュルケンベルグがチーム離脱を発表したのはブラジルGP直後。それまでヒュルケンベルグ自身「チームに残れたら最高」と話し、通常なら残留間違いなしの好成績を残しながら離脱、という結論に至ったのは、ウィリアムズの深刻な資金難だった。チームはベネズエラの巨額スポンサーを持つGP2王者のパストール・マルドナドと契約し、結果的に2年連続で新人ドライバーを走らせるリスクを選んだ。それほどまでに、この名門チームの台所事情は切迫していた、ということだろう。
ちなみに、ウィリー・ウェーバーはミハエル・シューマッハーを育てあげたことで知られる敏腕マネージャーである。