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フェラーリ「風洞に問題」

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フェラーリは、2011年型マシンの開発の妨げとなっているマラネロの風洞の問題を解決するため、懸命に作業を行っている。
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第3戦中国GPを失意の中で終え、フェラーリのルカ・ディ・モンテツェモーロ会長はマラネロに対し、今シーズンのパフォーマンス低迷に関して早急な改善に取り掛かるよう、急遽指示。「これが我がチームのレベルな筈はなく、あってはならないことだ。私はエンジニアが決心とノウハウをもって取り組んでくれるものと考え、短期間でマシン性能を向上させるべく、能力を最大限に発揮してくれると確信している。フェラーリは、我々やファンが要求するレベルにいなければならないのだ」
これを受け、フェラーリのステファノ・ドメニカリ監督は、今季型マシンの問題を解決するには長時間を要すると発言。現在フェラーリは、風洞実験での結果と実際のコース上でのパフォーマンスが一致しない、という大問題に直面しているのである。マラネロでは問題解決のための調査が行われているが、その原因を突き止められない限り、マシンを改善する新パーツ等をデザインするのは難しい。「私は現実的な人間なんだ。ファクトリーの人々、エンジニアたちなどが頑張ってくれるのは解っているが、短期間で解決する問題ではないことは承知している。従って、トルコで奇跡が起こることは期待していない。解決にはもっと長くかかる。それでもギャップを縮めるための取り組みとしては、これが正しいアプローチなんだ」

何と言う致命的な事故だろうか。フェラーリが有するマラネロの風洞施設は測定機器に問題があり、空力的に遅いとのこと。更に風洞が実際にサーキットを走行した際に見られる価値に、相反するデータが大量に出てしまっていることも発覚。もちろん、風洞のキャリブレーションを再び取るなどと言うことは、今やるべき仕事ではない。これによりフェラーリは、トヨタ・モーター・スポーツからクライアントに貸し出されているドイツ/ケルンにある最高の風洞施設で重点的に作業を進めるのではないか、と噂されている。ドメニカリは「現在の予選に於ける、我々と前とのギャップは受け入れがたいレベル」と嘆く。そのギャップを埋めるよりも前に、まず開発環境からやり直さなくてはならないのは致命的である。モンテツェモーロの「無茶な要求」は全イタリア国民/ティフォッシの願いでもある。
開幕から3戦を終えて未だ表彰台なし、ヨーロッパ・ラウンドへの「プランB」を前に出鼻を挫かれた跳ね馬。もしかしたら2012年の開発にシフトした方が、実際利口かも知れない。