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レッドブルの勢い止まる

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レッドブルは中国GPをヴェッテル2位/ウェバー3位で終えたが、チグハグな戦略/展開が目立つレースとなった。
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セバスチャン・ベッテル(2位)「スタートはベストじゃなかった。左側のグリッドは右側よりも良くなくて、ジェンソンとルイスに抜かれてしまった。後は忍耐力の勝負だった。タイヤは第1スティントでうまく扱えたと思うし、その時点では理由がなかったのでピットインし、トップに立った。目の前でジェンソンが僕のガレージに入った時はビックリしたけど、幸い影響はなく、皆冷静さを保ってくれた。リードを築いて2ストップでを選択したけど、終盤プライム・タイヤの時にルイスが近づいて来た。出来る限りのことをしたけど結局は抜かれてしまった。難しいレースだったし、いくつかミスも犯した。ルイスとマクラーレンにおめでとうと言いたい。彼らは良い仕事をしたし、ちょっと違うことをしたり、小さなミスを犯せば負けるってことが良く分かった。僕らにとって、ここから多くのことを学べるレースだったよ。マークはいいレースをして、ペースも良かった」
マーク・ウェバー(3位)「スタートではプライム・タイヤを選んだ。が、耐久性やその他の特徴の面で最も望ましいものではなく、トリッキーだった。僕のレースは第2スティントから始まったようなものだ。15周を終えて17番手ではもう無理だと思うかもしれないけど、予選でタイヤが残っていたからマシンの感触がすごく良くなった。もしかしたら予選で落ち、そこから追い上げるのが正解なのかも(笑)。冗談はさておき、チームの仕事ぶりは言葉に尽くせないほど。連戦だったし、僕のマシンはあまり順調な流れではなかったけど、諦めなかったからね。今日の走りはチーム皆のためだ。今日はチームのためのポイントという意味ではいい1日だったよ」
クリスチャン・ホーナー(チーム代表)「スタートで出遅れてしまい、2台のマクラーレンの後ろになってしまったので、セバスチャンは2ストップ作戦に変更した。もう少しで成功したし、あと4周というところまでは粘ったが、ポジションを維持するにはタイヤのグリップが足りなかった。しかし2位は素晴らしい結果であり、多くのポイントを稼ぐことが出来たし、それに見合う働きだった。マークについては、逆転の発想でプライム・タイヤでスタートし、3ストップ戦略を選んだ。表彰台まで辿り着くとは、正に驚異的なリカバリーだった。見事であり、チームのピット作業も良かった。最初のストップでジェンソンが我々のボックスに入ってきた時は驚いたが、チームとしては非常に力強いリザルトだったと言える」

昨年の第16戦鈴鹿から数え、不幸な韓国GPを除いて6戦5勝だったヴェッテル/レッドブルの勢いが遂に止まった。予選で見られるような、あれほど盤石の速さを持ちながら何故レッドブルは負けたのか。
要因のひとつはチーム戦略が緩慢になりつつあること。これは王者チーム故の苦悩だろうが、今回の予選でのウェバーのような闘い方は明らかに「守り」の姿勢の表れ。まだまだ若いチーム、昨年と同じチャレンジ精神が見えて来ない。もうひとつが、メーカー・チームでないが故のKERS開発の遅れ。特にこちらは今回のレースでのスタート時の逆転劇を見れば解る通り、相当に深刻。特にマクラーレン王国の開発スピードは、今や完全にレッドブルの勢いを超えてしまっている。このままではどんなに速く走ってポール・ポジションを奪っても、いずれはフェラーリにもスタートで捕まってしまうだろう。そうなった際、誰もがイコール・コンディションのDRSでは勝負にならず、確実に勝ち目は減ってしまう。後半の無線トラブルも勿体ない。2位と3位では「負け」。今後の技術陣の奮起に期待。