ザウバーのセルジオ・ペレスは、マレーシアGPでマシンが大きなダメージを負ったため、中国GPでは新しいシャシーを使用する。
第2戦マレーシアGPで、前を走っていたセバスチャン・ブエミのトロ・ロッソから6Kgのバラストが脱落し、それがペレスのマシンにヒット。このアクシデントにより、ペレスはリタイアを喫した。「ブエミのマシンから外れた何かがちょうど僕の前に来て、マシンのフロアにヒットしたんだ。それで消火器が破裂して、電気系統が停止してしまった。マシンの感覚はとても良かったので、レースをフィニッシュ出来なかったのは残念だよ」更に、結局この時のダメージの影響でペレスが使用していたシャシー01は、マレーシアからファクトリーに戻された、と報じられている。チーム・マネージャーのベアト・ツェンダーは「シャシーの状態は非常に悪い。これまで我々がシャシーを直せなかったケースはたった1度しかない。1994年のモナコでフレンツェンがクラッシュした時だけだ」と語り、更にツェンダーはブエミ車から脱落したバラストはまるで「爆弾」のようにC30に直撃しており、安全性の問題としてFIAに連絡したとのこと。「シャシーに穴が開いている。中国ではセルジオは新しいシャシーを使う」これにより、トルコGPからのアップデートを前に、ザウバーは余計な新車を投入することになる。
眼の前に6Kgのバラスト(重り)が落ちて来ると言う状況がどれくらい危険なことか。それ以外にもサイド・ポンツーンが吹っ飛んだりと、トロ・ロッソSTR6の剛性も問題である。それにしてもペレスはツイてない。開幕戦は1ストップ作戦で7位フィニッシュ、デビュー戦ポイント獲得かと思いきや、チームのつまらないミスで失格。第2戦は中団で好バトルを展開しながらの貰い事故。「ペイ・ドライバーと呼ばれることは解ってるさ」と謙虚に努めつつも、昨年GP2王座を奪われたパストール・マルドナド(ウィリアムズ)より遥かに目立ち、更に既にフェラーリ入りの噂も出始めた。実際、フェラーリの育成ドライバーでもあるペレスはメキシコの通信会社テルメックの支援も持っている。更にフェリペ・マッサの不振から、来季のフェラーリ・シートが空くとの噂もある。「フェラーリに行きたいかと言われてノーと言えば嘘になるよ。いつか彼らのドライバーになることが夢なのは確かだ。ただ、2012年について話すのはまだ早過ぎるよ。まだ道程は長いし、これから学んでいくことや取り組んでいかなければならないことがたくさんある。もちろん今シーズン末には、そのような準備が整うことを願っているよ」
2007年A1GP、2009年GP2アジアで上海サーキットを知っているペレス。あとは中国GPフリー走行がシェイク・ダウンとなる新シャシーが気になるところだ。