2010年に初開催されたF1韓国GPのプロモーター、KAVO(韓国オートヴァレー・オペレイション)会長のチョン・ユンチョが解任された。
14日に行われた取締役会でユンチョは「乱脈な運営」を理由に、他のふたりの幹部と共に解任された。KAVOのスポークスマンは「株主総会で投資者達がユンチョのマネジメントに不信感を抱き、今のままでは今年の韓国GPの成功はないとアピールした」と発言。これに対し、ユンチョは「私は政府による調査結果を待っていたところであり、何故KAVOサイドがこの件を急いだのか理解出来ない」と述べた。KAVOは既にユンチョの後任として元・駐スイス韓国大使のパク・ウォンハの就任を決めている。
F1GP初開催となった2010年、新設の韓国インターナショナル・サーキットは期日を大幅に過ぎても完成せず、開催が危ぶまれていた。秋には多くの関係者が「このままでは間に合わない」と騒ぎ始め、サーキット側は急遽「未舗装の」コースでのデモ・ランを公開するなどして「絶対に間に合う」と主張。本来FIAの承認はサーキット施設完成の半年前でなくてはならないが、結局承認されたのは開催2週間前、それも多くの施設が未完成のまま、という状況だった。にも関わらず韓国GPはシーズン終了後にFIAから2010年ベスト・プロモーター賞を受賞するという、不可解で皮肉な結果となった。
現状、F1に参戦するメーカーもドライバーも存在しない韓国だが、バーニー・エクレストンは今後のアジア市場に多いに期待しており、今回の流れが初開催の不手際に対するFIAの「温情判決」に対し、韓国GPプロモーター側が今後に向けての「本気度合い」を見せる格好の機会だった、と考えるのが自然である。