第2戦マレーシアGPでチーム・ロータスのヘイキ・コヴァライネンは新興チームのトップとなる15位でフィニッシュした。
地元・マレーシアの期待を背負ったトニー・フェルナンデスのチーム・ロータスは参戦2年目の地元レースとなるマレーシアGPで、コヴァライネンがヴァージンのティモ・グロックを抑えて15位となった。
コヴァライネン「とても良いレースだった。タイヤ・セットはどちらもバランスは良かったし、戦略も上手く行った。正しいタイミングでピット・イン出来たし、トラブルはゼロだったよ。金曜日は少し苦労したけど、ウィンター・テストで期待していたパフォーマンスを示すことが出来たので僕達は喜んで良い筈だ。今後もマシン開発を続け、前にいるライバル達にプレッシャーをかけ続けて行くよ。次の中国は、マシンが涼しいコンディションでどんな挙動を見せるかの良いテストにもなる。同様のパフォーマンスを発揮し、プッシュし続けていくことが目標だ」また、チーム・メイトのヤルノ・トゥルーリはクラッチ・トラブルでリタイアした。
チーム・ロータス、HRT、ヴァージンの新興3チームの2年目。コンストラクターズ選手権でも頭ひとつ抜け出し、今季はコスワースからルノー・エンジンへとスイッチしたチーム・ロータス。彼等に期待されていたのは、コンストラクターズ9位レベル、つまり新興チーム以外の9チームの最低成績チームを喰うこと。もはやHRT/ヴァージンは敵ではない。現状で言えばフォースインディアかウィリアムズあたりを上回ることが求められていた。現実は、昨年の第2戦オーストラリアGP予選で3チームのトップがコヴァライネン、トップ(ヴェッテル/レッドブル)との差は4、023秒、ひとつ上のペトロフ(ルノー)との差は2,326秒。今年の開幕戦、同じメルボルンでのオーストラリアGPではトップ(同じくヴェッテル/レッドブル)との差は3,958秒、ひとつ上のハイドフェルド(これも同じロータス・ルノーGP)との差が2,015秒。ちなみに昨年の最終戦アブダビGPではトップ(アロンソ/フェラーリ)との差が3,346秒(トゥルーリ)、ひとつ上(ブエミ/トロ・ロッソ)との差は1,692秒。
…昨年1年かけて必死で埋めた中団チームとの差が約コンマ5秒。ところがこの冬の開発競争で、ロータスと既存チームとの間にはまたも1年前と同じ差が出来てしまっているのだ。日進月歩のF1世界、今のペースではトップ・チームの仲間入りは永遠に不可能である。「良いレースだった」は、地元ファンへの精一杯のリップ・サービスと受け取ろう。