2011年からロータス・ルノーGPを名乗ることとなった旧ルノーは、レーシング・ライセンスをフランスからイギリスへと変更した。
元々フランスの自動車メーカーであるルノーはこれまで当然ながらフランス・チームとして活動、エリック・ブーリエのジェニィ・キャピタルによる買収後もルノーを名乗り続け、フランス唯一のF1チームとして参戦して来たが、グループ・ロータスとの提携によってチーム名をロータス・ルノーGPとする今季からは、あくまでもロータスの本拠地であるイギリスのチームとして国籍の変更に踏み切った。これによりロータス・ルノーGPが勝利した場合は表彰台でイギリス国歌が流れ、F1のグリッド上からフランス・チームが消えたことになる。また、マシンのカラーリングも1970~80年代のJPS・カラーを彷彿とさせるブラックへと変更されている。
モータースポーツ発祥の地であり、FIA本部も於かれているフランスから、遂にF1チームが消えた。古くはブガッティ、タルボ、マトラ、ゴルディーニらが競い、1980年代以降にはルノーを初め、リジェ(プロスト)、ラルース、AGS、プジョー(エンジン供給のみ)らが名を連ねたフランス勢だったが、ルノーの名がエンジン・サプライヤーとして残るのみとなる。また4度の世界王者となったアラン・プロストがここまでフランス人唯一のタイトル獲得者であり、以降ジャン・アレジ、オリビエ・パニスらが1勝した以外にF1で勝利した者もなく、2010年のグリッドにはフランス人ドライバーがひとりもいなかった(最後のフランス人ドライバーは2009年/ルノーのロマン・グロージャン)。
.....モータースポーツ大国と言われたのは既に過去の話、フランスはこのままF1から遠ざかって行くのみなのだろうか。