かねてから噂になっていた元F1チャンピオン、キミ・ライコネンの今季NASCARデビューが正式に決定した。
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ(NCWTS、スプリントカップの現役及び元ドライバーが、若手ドライバーと戦う国内選手権)はTwitterを通じ、2007年F1王者で現在WRC(世界ラリー選手権)に参戦中のキミ・ライコネンがシャーロットでのエントリー申請を行い、これが認められたと公表。ライコネンのマネージャー、スティーヴ・ロバートソンも30日に移籍を認め「キミはNASCARシリーズの数戦に出走する」と述べた。これにより、ライコネンの5月20日、シャーロット・モーター・スピードウェイでのデビューが決定。また、ライコネンはWRCでの活動と平行して、ICE1レーシングでNASCARに参戦することになる。
また、F1での26戦でライコネンのチーム・メイトだったNASCARの先輩、ファン・モントーヤは「みんなが話題にしているし、既にその話は聞いていたよ。これは彼にとっても、NASCARにとっても良いことだ」と、ライコネンのNASCAR参戦を歓迎している。モントーヤは2005年からマクラーレンでライコネンとチーム・メイトとして闘い、ふたりで19戦中10勝している。しかし一方で同じく元F1チャンピオンのジャック・ヴィルヌーヴは「ドライビングは別に問題にならないだろう。ただ彼の一番の問題はコース外での活動だよ。社交性が必要になる。NASCARはF1のように閉鎖的な環境じゃないんだ。ほかのドライバーと関わりを持ち、解け込まなければいけないんだよ」と、ライコネンの性格を心配する。ライコネンがNCWTSで使用するマシンなど詳細はまだ明らかにされていないが、いずれネーション・ワイド・シリーズ(NNS)や、NASCARトップ・シリーズのスプリント・カップへの出場も視野に入れていると推測される。
ここしばらく燻っていたライコネンNASCAR参戦の噂だが、ようやく決定、それもまるでF1開幕戦でのルノーの闘い/態勢を見届けたかのような絶妙なタイミングでの発表。ライコネンとマネージメントはこの冬、明らかにクビサの穴埋めに関して本気で話をしていたのだろう。が、もはやキミにF1での快適な居場所はなかった。アイスマンの更なる新天地での活躍を願おう。