ヴァージン・レーシングのティモ・グロックは、現在のチーム・パフォーマンスでは今後予選落ちする可能性があると懸念している。
グロックは、ヴァージン・レーシング低迷の原因は、チーフ・デザイナーのニック・ワースによる、CFDのみを使用するマシンデザインの方法にあるかもしれないと考えている。冬期テストでは今季は前進が期待できると楽観的な見方をしていたヴァージンだったが、開幕戦オーストラリアGPでは、グロックとジェローム・ダンブロジオの両ドライバーは、予選で107パーセントルールこそクリアしたものの、グリッド最後尾に終った。グロックは「チームの組織全体に関しては前進し、メカニックやエンジニアリング・サイドの仕事は昨年より大幅に向上した。でもパフォーマンスの面では後退したと思う。他のチームは大きくステップ・アップしており、僕達は彼等ほど大きく前進出来なかった。バルセロナ・のテストではそう感じなかったけれど、本来いるべきポジションにはいない、ということが今明らかになったんだ。チームは前との差を縮めるために何かを変えなければならない。今回は僕らは105%だったので、少しだけマージンはあった。でも、もしも予選Q1で他のチームがソフトタイヤを履いてプッシュしたら、僕らは困ったことになっただろうね。マシン・バランスはそれほど悪くないんだが、ダウンフォースが足りない。チームはそれを理解すべきだ」と語り、ヴァージンがCFDのみでマシンをデザインしていることが低迷の原因のひとつなのかもしれないと懸念している。「その可能性はあるね。僕らはそういうことを考えなければならない。何故なら、他のチームはCFDと風洞の両方を使っている。僕達もそれについてもう一度考えなければならないと思うよ」
開幕早々、チームの開発態勢に関してエース・ドライバーからクレームが出る、と言うのは決して穏やかなことではない。走ってナンボのレーシング・カー、そろそろ、ワース・リサーチによるCFDオンリーのマシン・デザイン〜開発、と言うスタイルの限界を認めざるを得ない状況だろう。実際には高価な風洞開発に費用が回せない、と言うのが真相なのだから。