ヴァージン・レーシングのジェローム・ダンブロシオはF1デビュー戦を16位でフィニッシュし、ザウバーの失格により14位を得た。
ヴァージンのエース・ドライバーであるティモ・グロックはマシン・トラブルにより規定周回数に満たなかったが、これが初レースとなったベルギー出身のダンブロシオが繰り上がりでチーム最高位タイの14位を獲得。「初めてのグランプリで完走出来てとても嬉しいよ。良いスタートをしたし、マシンも快適だった。ただ、レース終盤にはもう少し速く走れたかも知れない。だが、重要なのはレースを完走したという事実であり、僕はこれでたくさんの経験をし、それを今後のレースに生かすことが出来ると思う。この週末を通し、素晴らしい仕事をしてくれたチームに感謝したい。とても有意義な時間を過ごせたし、ここで学んだことは次戦のマレーシアで役立つだろう。次戦では更に前進していけると良いね!」
予選最後尾から最下位フィニッシュ、しかし2台失格による繰り上がりで最終順位は14位。このルーキーが記録した平凡な数字は、実は後になって重要な意味を持つかも知れない。参戦初年度の昨年、ヴァージンは決勝最高位14位2回(グロック1回/ディグラッシ1回)、しかしライバルのHRTが同じ14位を3回(チャンドック2回/セナ1回)記録していたために、コンストラクターズ選手権でヴァージンはHRTに負け、最下位となってしまっている。見た目上はロータスと争っていたように見えて、意外にも低い完走率が致命的な痛手となり、こう言う結果を生んでいたのである。現在のヴァージンにとって、メルセデスGPとウィリアムズが全滅し、ザウバー勢が失格、と言う混乱の結果となった開幕戦で得たラッキーな順位は、極めて重要な意味を持つ筈である。
HRTが予選107%ルールで苦しむこの状況で、14位と言う結果はヴァージンにとって「宝物」なのである。