オーストラリアGP公式予選Q1でトップタイムから107%以内のタイムを記録出来なかったHRT勢に対し、FIAは決勝への出走を許可しないことを決定した。
土曜フリー走行に出走したヴィタントニオ・リウッツィは、ターン4までしか走れずにストップ。ナレイン・カーティケヤンも5周しか走行出来ず、HRTにとっては予選がテスト・セッションとなった。更に予選Q1でセバスチャン・ヴェッテル(レッドブル)が1分25秒296を記録、決勝出走を果たすにはこのタイムの107%以内となる1分31秒266が必要だった。しかしリウッツィは107%タイムから1、712秒遅れる1分32秒978、カーティケヤンは3,027秒遅れの1分34秒293がQ1のベストタイムとなり、107%を上回れなかった。
が、Q1で107%以内のタイムを記録出来なかった場合でも、フリー走行である程度のラップ・タイムを刻んでいた場合、スチュワードが特別にレース出走を許可する場合がある。しかし、HRTは前述のようにフリー走行でまともに走行出来ておらず、決勝出走許可を求めたものの、FIAはその願いを聞き入れなかった。これにより、オーストラリアGP決勝レースは11チーム22台のマシンで争われることになった。
ナレイン・カーティケヤン「予選前に行ったタイム計測ラップは2周だけだったので、この状況を考えれば大きな成功だ。チーム全員が素晴らしい仕事をしてハードワークを重ねてくれたけど、あと1日足りなかった」
ビタントニオ・リウッツィ「誰もが良い仕事をしてくれたから誇りを持たなきゃいけないし、ルールはルールだ。僕らは既に次戦に集中している。僕はポジティブだし、マレーシアではすべてが上手く行くと確信している」
コリン・コレス「チーム全体を大いに誇りに思っている。予選に2台を間に合わせることが出来たが、F111には今日よりもかなり速く走るキャパシティがある。現状は望んでいたようなものではないが、マレーシアではマシンをテストする時間が増えるだろうし、マシンが持つ速さを発揮出来ると思う」
まずは、コレスの「ギリギリ作戦」成功。しかし、昨年のように上手く行かないのはFIAの絶妙な手回しによる。実際、現状のHRTのスピード/ペースでは決勝レース出走は危険過ぎる。よって、妥当な処置と言えるし、恐らくコレスも予想していただろう。シーズンはまだ始まったばかり。昨年のようにヴァージンを食うのも決して夢ではない。