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可夢偉記者会見

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FIAのオーストラリアGP木曜記者会見に、ザウバーの小林可夢偉が出席した。
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Q:冬期テストで、ザウバーはどこよりも多くの13回の赤旗を出しました。望んだ記録ではないでしょうが、最後のテストではセルジオ・ペレスがマシンの速さを示しましたね。

小林可夢偉:マシンの全体的なパフォーマンスは良かったと思う。当初は様々なトラブルが出たけど、冬期テストで多くの問題が出るのは良いことだよ。昨年はテストで全然問題なかったのに、シーズン中に出てしまったからね。これが良い兆候であることを願うよ。どのテストも順調で、特に最後のバルセロナ・テストが良かったので悪くないと思う。もちろん先頭争いではいだろうけど、去年と同様にポイント獲得を目指すよ。僕達にはそれで十分だ。新しいチームメイトも頑張ってて僕もハッピーだ。タイヤは厳しいけど、これから大きく改善する筈だよ。

Q:新人ドライバーが来たことであなたはチームを牽引する立場になりました。今季は多くの責任を背負うことになりますが、あなたが目指すものは何でしょうか?

可夢偉:僕自身の状況は大きく変わったね。責任は増えたけど、多分これが理想的な形なんだと思う。ザウバーでの2年目だし、冬の間トラブルも多かったから確かにプレッシャーはある。でも最後には良いペースを見つけられたので、満足しているよ。レースでの目標はポイントを取ること。僕達はまだトップチームじゃないし、ポイントが取れればそれで十分だ。

Q:中団チームのトップに立てると思いますか?

可夢偉:それを目指さなきゃいけないし、自信はある。やってみるよ!。

Q:昨年の結果を上回れますか?

可夢偉:そう思う。去年はたった5つ目のコーナーでフロント・ウイングが壊れて全然走れなかったからね。今年はチェッカーを受けたいよ。コースは良く知っているし、大好きな場所なんだ。とても良いコースさ。ただ、ピレリ・タイヤは違うターマックなので、どうなるかは解らない。すごくタフになるだろうとは思うけど、エキサイティングなコースだよ。

Q:GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)やFIAなどが、被災した日本の人々に向けて一致したアクションを起こすべきだと思いますか?

可夢偉:今の状況に於いて、僕達に世界中の助けが必要なことは間違いない。もしGPDAやFIAが助けになってくれるのであれば、僕達は本当にそれを必要としている。状況は本当に最悪で、多くの人々が家を失い、食べるものもない。更に、3週間前にはニュージーランドでも大きな地震があった。この2つの国は今大きな問題を抱えているので、僕達に何ができるか考えなければいけない。地震や津波が来た時は何も出来ないんだ。それは僕達にはコントロール出来ないものなんだということを理解するべきだろう。僕達はお互いに助けを必要としていると思うし、助けてくれることを望んでいる。


…両サイドにウェバーとアロンソを従え、堂々と会見に臨んだ可夢偉。質問は母国・日本が東北関東大震災で被災したことに触れたものも多かったが、不安定なチーム状況から「どうなるか見てみる」を繰り返すカーティケヤンや、初レースに向けて「楽しみだ」と笑うマルドナドとは明らかに違うステージにおり、昨年タイトルを争った両サイドのふたりも可夢偉の言葉に熱心に聞き入っていた。
さあ、いよいよラスト・サムライ、勝負の2年目が始まる。